じゆうちょう。

日記です。観たもの、食べたもの、読んだもの、ほか。

セザンヌ―パリとプロヴァンス展(国立新美術館)

目玉扱いの一つっぽい「赤いひじ掛け椅子のセザンヌ夫人」、よかった。

 

人物の腰のずらし具合からの重心の傾き具合と、画面上の赤い椅子の配置の仕方の偏り具合のバランスがカッコよいと思った。

さらにスカートの緑と椅子の赤の彩度の調子がすごくよいと感じた。補色となる色同士を彩度の調節でうまく美しく調和させているように思えた。

 

「サント=ヴィクトワール山」(1886-87年59.7×72.4cm)もよかった。

山に使っている色味は少ない。淡い青と白がすごく透明感を出しているように感じた。

画面左の幹や画面右上部からの枝のぶった切れ具合が、歌川広重の「冨士三十六景色 武蔵小金井」や「名所江戸百景 隅田川水神の森 真崎」なんかを彷彿とさせる。