せっかくなので話の主題(?)になる箱根駅伝の前、年末に読もうと思っていながら雑事に追われなしえずに、やっと読んだ。
作者の小説を読むのは5作目だが、何年ぶりかわからんくらいに久しぶり。
というか「ミステリ」範疇にない小説を読んだのはいつぶりじゃ???
そうだ、そうか、「小説の文章表現ってこんなだったか?」と軽く衝撃を受ける。
『清瀬を撃った確信の光は、そのあともずっと、心の内を照らしつづけた。』
とか、ちょっと恥ずかしい。
ま、よく考えたら大学生の「スポ根青春物」。そりゃ何かと恥ずかしくて当然だ。
だって最初に主人公達が交わす科白が、『走るの好きか?』。ぎゃー、恥ずかしい。
まーね、みんなアダナもあることだしね…少年マンガな気分に切り替えて一気に読んだ。
しかし、すごい。走ってるときの描写。週間少年マンガほどしつこくないのもよい。
作者のエッセイを読む限り、作者さんは運動などしなさそうな方なのにな~とか思う。
でも、山ほどスポーツ物のマンガも小説も読んでいるようだし、相当な取材をして書いた小説だとエッセイで読んだ気もするし、当然か。
ランナー10人の人物設定のメリハリ具合も、箱根のレース展開の盛り上げ方も、数々のエピソードもプロローグもエピローグも本当の王道で過不足なくてすごい。
超エンターテイメント。そりゃ映画化漫画化されるよなーとしみじみと納得。みてないけど。
近年わりと親戚の家で付き合いとしてよく観ていた箱根駅伝だが、今年は全然観る時間がなかった。でも、これからも自主的に観ることはないかも。運動してる人をみてるより自分で運動する方が好きなので。
スポ根青春物王道小説…このジャンル、また当分読むことはないだろう、おなかいっぱい、という気分で終わりました。