じゆうちょう。

日記です。観たもの、食べたもの、読んだもの、ほか。

ゲージツニュース。

ちょっと前、日展の書道での不正審査がニュースになっておるのをみまして、

「えっ!? これ(=審査が公正ではない)って、常識じゃないの? 今更ニュースになるの?」

と大変ビックリ致しました。

そんな不正システムの話はもう随分昔、大学生の頃に書道科の友達から聞いていたので。

 

「絵画の公募団体はヤクザのシステムと一緒。下からの上納金で上が潤う。ピラミッドの上に行くほどたくさん潤う。関わってはいけない」というのは、かつて私がいた大学の絵画の教授の弁でしたが、これも業界内だけでの常識なのでしょうか。

上納金システムの有無はともかく、審査は「公平ではない。ちゃんとみてない。エライ人の一声で決定」という話は最近も審査の手伝いバイトをした人等から漏れ聞いたネタとして又聞きしたりはしますが。

 

「でも、うちの審査は公平だもんね。会員は一人一票、多数決で決めてるもんね。上納金とかないから、会は貧乏だけど。だから出しなよ~」と言う中高時代の恩師に誘われて自分も某公募団体に絵を出品してはいますが…。

 

そのうち、お金がいっぱいあるらしい「審査は公平じゃないらしいよ」ってウワサの絵画団体が「不正審査!」ってニュースになる日もやってくるのかなぁ…。

芸能人の団体展ゲージツ家もイロイロ疑われちゃったりするのかしら…。

 

でもなー、ズルはよくないと思うのです。

ナニがよくないって、多くの人が関わっていると、どうしたってどこかからズルしてる話って漏れ伝わるわけで、もう「公募団体に所属してる画家だから」ってだけで、バカにして見下して話す美術研究家がちょいちょいいる、と現在美大に通っている知人も言っておりました。

そんな講義や、不正審査のウワサを聞く美大生が公募展に出そうって思わなくなるのも必然…若者はどんどん出さなくなります。年寄は徐々に死んでいくので、結局団体はいつの日かなくなっていく、という流れなのかしら?と随分昔から思わなくもないわけです。

 

そもそも公募団体システムというのは日本特有のモノだとも聞きます。

まあ、団体になどならず、一人黙々と努力精進するほうがゲージツ家っぽいって説もありましょう。

 

でも、一人で孤独にがんばって得るモノもあれば、画家同士作品を評価しあったり制作について語り合ったりして進歩成長することだってあると思うわけです。

作品の発表システムとしては団体の方が効率としては優れているようにも思えます。個展という形の発表だと、その画家の知る範囲・画廊の知る範囲の人しかなかなか訪れることがないと思いますが、団体での作品発表だと、複数の画家の知り合いが足を運び、そこで自分が直接知らない画家の作品に出会うことも多いわけで、多くの人が多くの作品に出会う機会が増えていくように思うのです。思いがけずお気に入りの一枚に出会う可能性が高くなりそうです。

 

そこに不正がなければ、団体をつくること自体は悪いばかりではないような気もいたします。

そして外国とシステムが違うから、日本独自のシステムだから悪いということもなかろうと思います。なんでもかんでも外国の真似しなくてもいいではないですか、と考えるのです。

 

だって、日本は日本でその時々に海外からの影響を受けることもあれど、歴史的地理的に独自の部分もあって芸術が息づいてきたわけで、社会だって文化全体だってこの国特有の部分があるわけですから、ある程度特有の芸術システムがあってもそれはそれでよかろうと思うわけです。

 

でも、ズルはよくないと思います。

ズルいのが好きな人はそれでおいしい思いをする極一部の人だけなので、その極一部に成り上がりたいと思う野心を持った人しか仲間に入りたがらないように思います。

新しい人が増えないと、いつか団体の構成する人間がいなくなって団体そのものがなくなってしまいます。

今のこれからの日本の若者はそんな「ズルしておいしい思いをしたいぞ!」という野心に満ち溢れた人は多くないように思います。

この国では「公平に審査されて評価されて、切磋琢磨して成長したい」と思う若者が多数派なのではないかと感じます。ズルが好きな人よりもズルいことがない方が好きって人が多いと思うのです。

 

書道やら絵画やらゲージツを好む人って…元来はただただお金をたくさんもらったりエライ人扱いされて悦に入るよりも、美しい感動的なゲージツ作品をみること生み出すことにヨロコビを感じる人だと思うのですが、年齢を重ねると、そうでもなくなっていったりもするのなのでしょうか。

いや、実はこんな不正システム古今東西大昔からあるのかしら…。

 

でも、そんなことを調査研究するよりも、自分が好きそうな絵をみにいったり、好きに絵を描く方がたのしそうなので、しませんけども。

 

 

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