じゆうちょう。

美術展やら食べた物やら気の向くままにかいてます。

カイユボット展(ブリヂストン美術館)

展覧会名の頭に、「都市の印象派、日本初の回顧展」とついてました。

そうそう、「カイユボット?しらねー。でも、印象派に参加してた画家の名前全部しってるわけじゃないしなー」とか新聞の宣伝記事をみながら、チラシに使われていた≪ヨーロッパ橋≫をみて、「へー、印象派なのに、モチーフは自然ばっかってわけでもないんだ~。なかなかいい感じの絵かも~。ちょっと悪くないのかも~」と思って足を運ぶことにした次第です。

そう、行くかどうか最終的にチラシで決める派でございます。展覧会イチオシ作品が自分にとってみたいかどうかを判断基準としておるのです。

 

≪ヨーロッパ橋≫の載ってるチラシです。↓

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ちょっと斜めに撮ってしまっておりますが、それを差し引いても「ふつーの一点透視図法」的な遠近の表現とちょっと違います。右手の橋のパースがなんかヘンな感じ。

このルネサンス以降の西洋画にフツーな感じにあった遠近法とちょっと違うところ…。

 

他の絵(≪昼食≫)なんかでは、テーブルの上の食器が奥にあるものはフツーに乗っかっているのに手前側にくるとまるで上から覗いているようで、「この一番手前のお皿、こっちに落っこっちゃうよう!」という不思議な遠近法になっている。

これを「多視点」の表現として「映像的である」としてる解説を読んでみたりしましたが。

 

この「フツーな遠近法」じゃない感じ、ホントに意図的にやっていたのか?と微かに疑問に思ってみたり…。

いや、このチラシになってる≪ヨーロッパ橋≫をみた限りでは計算でやっておるのだろうと思ったのですが、皿が落ちそうなテーブルは、なんだか「単に間違ってそうなっちゃった感」も感じるわけです。皿が落ちそうというマヌケさに。…イジワルすぎな見方なのやもしれません。

 

この人、人体の重心をちゃんと正しく描いている感がすごくあると思うのです。

右足に体重が乗りつつ、腰は左が少し引き気味に下がっていて、そのバランスをとるために右肩が下がっていて…みたいな。↓

↓ 左下の人はちょっと下っ腹を前に出していて猫背気味…姿勢が悪い感じです。

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他の作品でも、結構人物の重心や軸が動作の途中に通っている瞬間のモノだったりして、流れている時間の一瞬を切り取ったような動きを感じさせるモノが多い。前後にも時間が流れている感がある。

この辺りの特徴からも、また「映像的」というか「映画的」なんて言われ方をするのかな~と思ってみたり。

 

動作の途中っぽいにポーズを描いているのは、単にカイユボットさんの意図したもの、趣向なのかもしれませんが、案外、「プロのモデルを使わず身近な人をモデルに描いていた」ということから、プロのモデルであれば取りそうな「長持ちするどしっとしたポーズ」ではない身近な人のポーズをたくさんモチーフにできたためかもしれないし、弟さんが趣味にしていた写真を眺める機会が多かったということも影響しておるのやも…等と妄想しました。

 

なんか、このカイユボットさん、すべてが本人の計算の下に制作されていないのかしら感があるんですよねぇ…。疑り深いワシの単なる考えすぎなのかもしれませんが…。

 

だって、構図なんかも、「この部分入れるの?余計じゃないの?ここは切って入れない方がいいんじゃないの?」っていう取り方をしてるものも結構あるし。このトリミングでは、予備校や大学の先生に怒られない?大丈夫?みたいな…。

 

でも、やたらとオーソドックスな構図なんて退屈でつまらないような気もするし…。

意外な構図、フツーな遠近法じゃないのがたのしいのかも…なんてことも思ってみたり。

そもそもちょっとでも既存のモノと違うモノを探し求める姿勢が創造的であると言えるわけで。

 

だから、

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この一見丁寧に描かれている感じの≪シルクハットをかぶったボート漕ぎ≫、左手後方に並ぶ木々の幹の描き方のヘタクソなこと!と一瞬ギョッとしてしまったけれど…、いや、これも計算?それとも外国にはこんな感じの幹の木がはえているのか? でもなんか面倒になって、よくみないで適当にかいちゃったの? よく考えると、人物の膝もちゃんと手前に出てきてるように描けてない感じもするけれど、大学受験じゃないんだし、そんなコトはどうでもいいことなのかも…。と、余計なところにモヤモヤするのは無意味なのかも。

 

でも、この幹から感じる「ヘタクソ疑惑付き手抜き感」、一緒に展示されてた他の印象派の画家がすごくザックリと描いた人物画からは漂ってこないんだよなー。

うーん、カイユボットさんって全てを計算した上でオーソドックスさから外れていたの?それともアマチュアっぽさの尻尾が見え隠れしておるの? ???

 

パッと見にはいい感じ、よくみると細部に宿るちょっとした違和感、なんだかいろんなことが気になってしまう…「細かいことが気になるのが僕の悪い癖」って右京さんの声で聞こえてくるような気分でブリジストン美術館を後にしました。

 

そして、このあと、向かった東京ステーションギャラリーにて、いきなり「アマチュア」という文字に出会うのであります。(つづく?)