今年、家に仏壇がやってきたけれど熱心な仏教徒でもなく、以前長崎に行ったらホテルが混みあっていて予約できずにカトリックセンターに泊まったけれど(←料金を払えば誰でも泊まれます。安くて清潔、よかったです)キリスト教徒でもなく、なんで毎年クリスマスにはうち(実家)にホールケーキがくるの?と幼少期より思っておりました。
ケーキの謎は、三軒先にケーキも売ってるお菓子屋がある下町に住んでいたからです。下町の近所付き合いの一貫です。お歳暮のようにやってくるのです。私はその店で週に2回くらい湖池屋のり塩ポテトチップスを買っていたのでよく足を運んでいましたが、「甘い物はちょっとで満足派」でしたのでホールケーキはさほどうれしくはありませんでした。でも、大食らいで甘いもの大好きなチチが喜んで毎年4分の3くらいをたいらげていました。
大した思い出も思い入れもないクリスマスですが、昨日のイブはたまたまy-hama駅を夜、通りかかりました。そうそう、あの(どの?)地下街ではいろんなお店が出張ってきて割高なケーキを熱心に売っています。
「小さいのならちょっと買ってもいいかな」と思いました。が、みるとちょっと買う気になるような店だけは結構な行列です。
昨日は朝からたくさんの用事を済ませてぐったりヘロヘロな上、なんだかちょっと喉が痛い、すごく珍しく胃も不快…人生3回目くらいに「もう晩御飯を作る体力が残っていないよう…弁当買うしかないよう…」という弱音気分になっていたので、ケーキはあきらめました。
朝、「ケーキいる?」ってオットに聞いたら、「どうでもいいよ」と笑顔で言っていたので安心して眺めていたケーキ売り場をスルーです。『割高で作りおきのケーキなど特に買う必要はない』という合理的な信念をもつオット、らくちんでいいぞ!と思いました。
諸事情により野菜たまり気味な我が家…少しでも消費するために味噌汁とサラダだけ作って、“困った時の崎陽軒弁当”を勢いよくがっついたところで力つきました。
どうやらちょっくら体調を崩した様子。
おお、見事にカケラもクリスマスらしきことをしていないぜ…。でも、元々あまりしていないというかする気はないぜ…と思いながら寝オチです。
そしてクリスマス本番な本日、朝から引き続き不調、家事だけで力尽きます。
やらねばならぬことはあるがもうダメじゃ…本当に何もせずにクリスマスが終わるな…いいのじゃ、ワシは無宗教じゃ…と思いながら、ふと、「あ、アレを読まなくちゃ」と思って、本を積み上げている2階のロフトへ上がりました。
大体2年に一度くらいクリスマスに読み返します。↓
「仔羊たちの聖夜(イヴ)」西澤保彦。あ、これは全然誰にもオススメしません。
シリーズになっているミステリなんですが、メインの登場人物たちがやたら恥ずかしいあだ名で呼び合っているという時点で身近な友人にもススメたことはありません。大学生4人が毎回飲んだくれながら推理をしていきます。わりと本格派。
毎回酔っ払いつつやたらと丹念に推理を重ねていく過程が非常に好きです。登場人物たちもあだ名のセンス以外はとても好ましくて好き。(あだ名センスが合わないのは、作者と自分の年代が離れているからかもしれませぬ。)
話はわりと明るめにすすみませす。でもオチは暗い。暗いのを暗くは書かない。登場人物たちは暗さを受け止めつつもさらっとしている。そこが好きなのかも。
街が明るく幸せな空気にあふれたクリスマスの頃、この一見楽しげに話は進み最後には人の心の深淵を覗きみて苦い気分になってしまうようなこの話を読む。そんなのが、キリスト教徒でもなく、サンタの存在を聞かされた瞬間にその存在を疑うような幼児だった自分にちょうどよいような気もしたりして。
よし、お供はこれにします。↓
うーむ。ビールにもワインにもあいそうな…。
おお、隠し味のはちみつと味噌、感じますよ。優秀(^-^)
【BIGでLIKEなHBPJ】今年もクリスマスがやってきた。