じゆうちょう。

日記です。観たもの、食べたもの、読んだもの、ほか。

ホイッスラー展(横浜美術館)

近場だし、混みだす前に行くぜ!と始まって一週間もしないうちに行ってみました。

空いてたけど…平日朝イチのわりには結構人はいました。会期終了間際は混んできそうな予感です。

 

実はホイッスラーには今までさほど興味がなくて「なんか白い服来た綺麗なおねーさんを描いてるなー」とか「なんか広重の構図っぽい絵、描いてた人だよなー」というざっくりした印象だけがありました。

でも広重好きなので、自分と何か響きあうものがあるのかしら?とか、一応メジャーな作品が来るようだからみてみたいな、ってことで行ってみました。

 

そして、広重っぽい構図の一枚。↓

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こうしてみると、まぁ確かに…。でもなんか…やっぱ広重の構図の方がかっけー!って感じがしちゃいました。

でも、この静かな色は嫌いではない。

題名が「ノクターン:青と金色ーオールド・バターシー・ブリッジ」。

そうそう、この人、題名カッコいいんですよね。(今後マネしていたら生温かい目でご覧下さい。)

 

この音楽用語のタイトルは、身近に示唆してくれた人がいたらしいってことが貼ってあった解説で知り、「へー」と思いました。

 

更にホイッスラーが「唯美(ゆいび)主義」であることとも関係しているのかなーと勝手に思いました。

(絵画によって道徳的な物語や教訓を伝えるのではなく、画面における色と形の調和によある視覚的な喜びを目指しているのが「唯美主義」ってチラシにありました。)

 

伝えたい内容やお話があるわけではないので、雰囲気とか色とか場所とかのタイトルにしたくなるのね、となんとなく思ったのであります。

 

確かに彼が活躍した19世紀後半、絵画は宗教やらなにやらとは距離をおいて「芸術のための芸術」って考えていける時代になってたんですものねー。

 

でも、ソコで抽象ではなくて具象なんですよね。(そりゃ抽象画が出てくるのはもっと後の時代なんですけども…。)

で、具象なわけだから、きっと「みている人」は結局勝手にそこに物語を見出したりしちゃってたんだろうなぁ、人間てそういう生き物だよなぁなんてことをちょっと思いました。

 

実際、このメジャーな作品(「白のシンフォニーNo.2:小さなホワイトガール」)の…↓

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横にあった解説には「鏡に映った顔の方は憂いを帯びていて…」的な事に触れていて、作者は「物語性を拒否してる」ってわかってる現代の専門家が感傷的な表情や作者のその時の事情との関連とかについて説明しちゃってて…

んもー、ホイッスラーはそういう余計な事考えないで、「色と形の調和」のことだけ気にして絵をみてよ~って思ってたんじゃないんかいな(笑)と思った次第です。

 

それにしても、この鏡に映った顔と、実際の横顔、なんか同じ顔から作られているものとは思えません。鏡の方がたっぷり瞼が落ちている…。まるで別人…。

あれ?ホラー?いやいや、そんな物語性があるはずがありません。

 

で、意外と版画作品がたっぷりありました。

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↑ 「ノクターン:宮殿」。いや、これはそんなに版画の中でうんと気に入ったわけではないんですが。チラシには版画作品コレしかなくて…。すみません。

 

ホイッスラーはそもそも版画で脚光を浴びた人だそうで(知りませんでしたよ!!!)、すごくたくさん版画も作ってるんですが、この上にあるタイプのモノよりも、すごく細かくがっちりと描写しているものが多くて、油彩の「意外とざっくりした描き方」とは全然違くって「あら、これはこれで非常に魅力的。素敵」と思いました。

 

あと、よくある「アトリエ再現」みたなダサいモノはなく、それを遥かに通り越したスゴイのがありました。(あ、アトリエの巨大写真はありました。でも、再現より場所をとらないので許します。)

 

特別展示映像「ピーコック・ルーム」ですって。↓

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すんげー広い場所に、3面映像(動画・アップになってなめていったり)が出ていました。展示されている陶磁器なんかもすごくよくみれるようになってました。

高画質映像ってこういうために使うのが正しいのかも…と思いました。

 

この部屋(ダイニングルーム)、大事なパトロンさんからの依頼で当初は壁の一面にホイッスラーの絵を飾るって程度の話で、部屋のデザインは他の建築家へ依頼されてたそうなんですが…なんかパトロンが不在中にホイッスラーは壁紙から何から色々パトロンの選んだのを変えて完成させて勝手に内覧会で人に披露していたとか。

なんちゅー俺様な!

 

で、これをきっかけにパトロンさんとは決裂したそーです。(そらそうか。)

しかし、ケンカ別れした後もパトロンさんはこの部屋を変えることなく維持し、その後も別の人のモノとなり今はアメリカに移築されて保管されているとか。

 

でも、この部屋、ホントいろんな国の美の結晶というか…ホイッスラーの、あの時代の、代表的な芸術作品の一つなのかも…という感じでございました。

迫力があったでござる。

 

(おまけ1)

帰りにマークイズに寄ったら、ツリーが。

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折角人も少なかったので撮ってみました。

なんか色が薄ぼけています。私のクリスマスツリーへの興味のなさが表れてしまったのでしょうか。恐るべしiPhoneのカメラ機能。

 

(おまけ2)

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いつ以来なのか記憶にないほど久々にこのチョコを買いました。

脳内でイザムが歌っていました。

アルコールが入っているチョコは苦手だったのですが、なぜかふと買いたくなったのですが、実際食べてみたら美味しかったです。

ついに「お酒入りチョコ」の美味しさが理解できるオトナになったということでしょうか。

特にイザムのファンではありません。