じゆうちょう。

日記です。観たもの、食べたもの、読んだもの、ほか。

ロバート・ハインデル展(そごう美術館) 【少し追記してしまいました】

数年前にbunkamuraのギャラリーで偶然みて以来、結構好きで、始まったら行く気満々だったのに京都その他で盛り上がっていて、すっかり忘れていたところ、ryoさん(id:ochi_cochi)にいただいたコメントで思い出して駆けずりこむように行ってきました。ryoさん、ありがとうございます!

 

こんな感じのです。↓(毎度チラシからですみません。テカっている…)

f:id:Strawberry-parfait:20150721193813j:plain

(「ダンス オブ パッション」1982年)

 

かつてギャラリーでみかけた時に結構気になって、当時図録を取り寄せてもらって購入してまして、その時から思ってたんですが、どこかほんのりとたまに人体の色調がフランシス・ベーコン(←有名な哲学者の方ではなくて画家でもいるのであります。親戚だった気がしますが)にちょっと似てるな~と思っておったのですが、今回の展示の解説に、ロバート・ハインデルは相当フランシス・ベーコンが好きで尊敬していたとかあって「おお! やっぱそうだったのか!」と非常に満足(?)した次第です。

 

f:id:Strawberry-parfait:20150721193840j:plain

(↑「ウォール」1987年)

以前から持ってた図録でしか知らなかった作品を結構たくさんみれまして、これもその一つでした。

 

図録やPCモニタでみるのとは違って絵の具の触感がいいかんじ。

 

この赤い線が「露骨?」って少しだけ思っていたんですけど、でもやっぱり露骨でもこれはそこがいいんだからいいんだよな、と思ってみたりしました。

 

他、日本の能をテーマに描いた作品も数点あり、画面構成そのものが装飾的でなかなかおもしろくていいな~と思ったり、晩年(かな?)のダンサーが消えてほぼ完全に「抽象」って感じの作品も数点あり、これまた興味深かったです。

 

図録でしかみれてなかった吉田都さんを描いたのとかもみれてうれしかった。

(あれ? クマテツのはうれしくなかったのか? うーん。クマテツの作品はもう一つ好みではなかった…。あ、熊川哲也を否定しているわけではありません。)

 

ミラペーパーに木炭で描いたという素描がすごくよかった。

f:id:Strawberry-parfait:20150721193606j:plain

濃淡のタッチもいいけど、線のニュアンスもいいけど、全体的な省略のうまさ、構図がたまらなく素晴らしいように思うのであります。 

 

やっぱ木炭もいいよな…。

と、うずうずしてきて木炭で何かを描きたくなる。おお、なんという単純人間。

 

 

(以下、話がずれていきます。)

 

そういや、初めてロバート・ハインデルをみた後、公募展用にダンサーを描いたエスキース(下描き)を描いていて、それをたまたま会った年輩の絵描きの人(恩師の更に先輩で、ワシが出してる公募の会員の人)がそれをみて「やめた方がよい」と言われてうんと葛藤してやめておいたことを思い出した。

 

別に言う事きかなきゃいけない空気は全くない団体だし、言う事きけって欠片も思っている人ではないので、きかなきゃいけないわけではなかったんだけど、どう考えても「この人私のためにやめた方が…」って言ってくれてるんだなぁって感じだったのでやめておいた。

 

今回の展示をみて、やっぱりあの時出さなくて正解だったんだな~と思った。

 

場所によって求められる作風というものがあるのだから、あの場所に私はダンサー描いて出さない方がよいのだ。

昔からたまにダンサーを描いたりするけど、それはまた出して許される所に出せばよいのだ。えーと、自由なグループ展とか個展とかか。

 

とりあえず、毎年夏に出してる公募展に今年は極力「求められてる感じ」且つ「(でも)自分が好きな感じ」の作品を出さないとね、と改めて思って帰ってきました。

 

なんて思いながら、ほんとは「徹底的に自分が好きな感じ」で、「(それが)合ってる場所」に出したらいいんじゃないの? 「あの場所は自分に向いてないんじゃないの?」って気がしないこともないんだけれど。

でも、「それどこ?」って話になるわけだし。

 

あんまり考えてばかりでは描く時間がなくなっていってしまうので、思考は中断して描こう描こう描こう…。

 

(さらに、それる話。)

 

この美術展入ってすぐ、いつもの「ごあいさつ」的な文字を読んで2点目くらいに、チラシの表面に使われている作品が展示されいた。

 

この記事の最初にのせてるヤツ。

これみてたら、横でみてた人(30~40代女性)がまるで私の知人で私にも聞かせるような調子で独り言として「すごいデッサン力」とはっきり声に出して言った。

 

美術展で独り言を音声に出して言うな。

隣に他人がいる時に聞こえる声で言うな。

鑑賞のじゃまだ。

おまえの感想など興味がない。むしろ不快。

 

この作品のいいところはそんなことじゃない。

おまえは素人か。

いや、素人が絵画を鑑賞してはいけないわけではない。

どんな人がどんな感想を持とうとも自由だ。

他人に鑑賞中に聞かせるな。

 

絵から離れたところで、途中に連れだっている人同士で他の人に何を言っているのかわからないくらいの音量で囁きあうのは許そう。(←なにさまだ?)

 

なんだかエラそうな口調で、くだらない感想を絵の前で声に出すな。(怒)

 

 

あー。

なんてワシは心が狭い人間なんだよ。

いや、知ってたけど。

すみません。

 

 あ、「京都の旅」その4以下、また書いちゃうと思います。

 

 

(ものすごく無関係な おまけ)

この美術展後に食べたししゃも。

f:id:Strawberry-parfait:20150719203416j:plain

本物のししゃも。

北海道産。okkoさーん(id:okko326)。(はっ…こんなことでIDコールしてしまった…。すみません…)

 

やっぱ「本物はいいな。ロバート・ハインデルも図録より本物だ」と、強引に(?)思い出した次第でございます。