主演はV6リーダー坂本くん。
ということで(?)ファンクラブ枠で申し込んで無事チケット入手、友人Mちゃんと一緒に行ってきた。
や、V6の舞台なら全部行きます!って勢いではないんですけどね、なんか坂本くんが出るモノって私とMちゃんの興味を強くひくタイプのものが多いので、やたらと二人して坂本くんの舞台に行ってしまうのですよね…。
今回の舞台も説明を読んだだけで非常に心ひかれてしまいました。
『「日本の演劇がどのように西洋演劇と出会い進化してきたか」をテーマに、新翻訳で贈る「JAPAN MEETS...―現代劇の系譜をひもとく―」シリーズ。日本の近代演劇に大きな影響を与えた海外戯曲を新たに翻訳し、現在によみがえらせます。
その第11弾として、1939年ニューヨークにて初演され、ニューヨーク劇評家賞とピュリッツァー賞を受賞(本人は辞退)した、ウィリアム・サローヤンの『君が人生の時』を取り上げます。
この作品でサローヤンは、戦争の影が忍び寄る時代の中、社会の周辺で生活を送り、逆境の中でも誠実であろうとする慎ましき人々の健気な姿を、奥底に人間存在への絶対的な信頼感と優しい眼差しを持って描いています。』
ね? なんか観たくなるでしょ? あれ? そうでもない?
そんなわけで(?)坂本くんにしては珍しく(?)ミュージカルではなくストレートプレイ。
観る前、え? お得意のダンスも歌もないの?な んだか心配…なんて非常におこがましいことを実は心の底で感じていた。
なんちゅーか、身内を過剰に心配してしまう感じ…いや、身内じゃないけど。
見終わって入った居酒屋でMちゃんにそのことを伝えたら「まあ!失礼ね!」って怒られた。そうですね。本当にすみません。
内容は、期待通りなレベルにおもしろかった。
どの人生も大変。時にすごく大変。重い。でも、やっぱりよいところもある。
そんな普遍的なことが、わざとらしい部分のない展開で表されていく。
過剰な表現もシーンもない。
休憩20分を含んだ約3時間の上演時間だったけれど長くは感じなかった。
新国立の椅子は一部では硬くて有名らしいけれど、特に苦痛には感じなかったのは、シリの肉が多すぎるのか、学生時代からデッサンで長時間座ることに慣れてしまっているのか、舞台の内容がよかったからか、原因究明は不要でござります。
見事なタップを、ピアノの演奏を、歌声を、披露する出演者たち。
タップもピアノも歌も過去の舞台で披露したことがありながら、今回一切御披露しない主演・坂本くん。
一瞬ある坂本くんが歌うシーンは、あくまで「プロではない立場の人が説明的に歌ってみせる」短いシーンで、それはまったくテクニックをみせつけたりすることがない、役柄上ものすごく自然な歌い方で歌ってみせる。
その適切な匙加減に、坂本くんの技術や人間性を勝手に感じて勝手に感動してきた。
舞台関係の仕事をしている古くからの友人Aが、昔、「ウェルメイドの舞台、大流行りだからね。私はあまり好きではないけどね」と口にした時、「なんで?楽しい事に全力なのってエンタテイメントとして正しい姿では?」と漠然と思っていたのだけれど、今回の舞台をみて、友人のような意見を持つ人がいることも理解できるな、と思った。
理解までに時間がかかり過ぎ。
どっちも好きですけどね、わたくしは。
舞台の時代背景は1939年。実際の初演も1939年。
自分はついつい相当過去の話として、その後のアメリカの流れ(そんな詳しくないけど)もふまえた上で作品を観てしまったけれど、初演の頃にその国の人間としてみた観客は、それはそれは深く突き刺さってくるものがあったろうな、と思った。
確かにこのテーマにサービス的なおもしろシーンはそんなにいらないよね。
いや、笑えるシーンがないわけではなくて結構あるんだけど。
なんかとにかく「過剰じゃないな」と強く感じた。
「過剰じゃないことがとても好き」なのかも、わたくし。
なんででしょう。江戸っ子だからかな。
「The Time of Your Life」を「君が人生の時」と訳す。
助詞って難しい。
今週(先週?)送ったコンクールの絵の題名も助詞をどうするのか、ものすごく悩んだ。
助詞…言語センスが問われまくる…恐ろしき存在…。
この日もガクアジサイ発見。
で、観た後に、Mちゃんと一つ美術展をみて、飲みに行った。
初台駅の反対側に、恩師とつながりのあるギャラリーがある関係で何度か大人数で利用したことがある居酒屋へ。
どれもなかなか美味しい。ま、安くもないんだけどね。それは初台価格なのか。
店員さんのおすすめ。確かに飲みやすい。でも、なんだかもう少し個性があってもいいと思ったその日のわたくし。
らんま1/2のカップで水がでてきた。
水タコ、うまかった。
店が混んできて店員から出て行ってほしいモードを露骨にひしひしと感じたので、さっさと出ることにした。
開店時間少し過ぎの空いた時間帯の最初の1時間以上、初めから店員が5人くらいただウロウロしていてムダだなと眺めていたけれど、混みだしたら客を力強く追い出すという姿勢。
なるほど。空いてる曜日に来た時にはわからないものが見えるのね。
次にこの界隈で飲むことになったら別の店を提案するだけなので別によいぞ、と思いつつ、御猪口に残ってた酒をあおりました。
2種類目の日本酒は、坂本くんが「好きだ」と言っていたような記憶があった「至」。
逆の順序で飲みたかった感じでござりました。