じゆうちょう。

日記です。観たもの、食べたもの、読んだもの、ほか。

苦痛だった夏の話

今年はお盆前後に2週間弱くらい仕事の休みがとれ、旅行に行くわけにもいかない御時世だったこともありほぼほぼずっと自宅にこもり絵を描いていたのだけれど、これが予想外にというか人生最大にイヤでイヤで仕方がなかった。

なんでこんなにイヤだったのか考えてみた。

 

毎年8月下旬〆切でF100(162x130cm)くらいの絵を2~3枚描くようにしている。

中高時代の恩師が所属している美術の公募団体に出すために。

今年はF80(145x112cm)を2枚描いていた。

 

今年1~3月は前年度の職場におり、昨年11月頃にピークだったウツウツ状態の余韻をたっぷりと引きずっていて、4~6月は転職先でハッタツの上司とほぼ二人きりの部屋で精神が疲労し、平日も休日も全然絵が描けなかった。

 

で、慌てて8月に入って本格的にデカいのを2枚描き出したのだが、「これ、今そんなに描きたい気分じゃないんだよな」ってモチーフの絵だった。

 

なんで描きたくないモチーフを描いたかというと、4年前にその公募団体にそのモチーフ(夜のプール)を描いて出して佳作をもらった時以来、そこの会員の人達にいろんな場所で会うたびに「このテーマで描き続ける方がいい」と口をそろえて言われていたから。1~2人ならともかく10人以上の人に言われるとそうするのが正しいように思えてそれに逆らう事が出来なった。

 

思えば今年の3月も似た状況だった。この公募団体の地方展が地元であって、今はこのテーマはそんなに描きたい気分じゃないのに2~3月にイヤイヤそのテーマでF100号を1枚描いて出した。

この時は描き方もイヤイヤ『周りから推奨される絵の具を盛りまくって描く方法』で描いたのだがこの描き方もイヤで「イヤの極致」だった。

 

「もう無理して絵の具盛って描くのはイヤじゃ!」「盛るのはやめよう」と思い自分の気持ちを優先して4月には盛らない描き方でA1サイズ(84.1x59.4cm)の夜のプールの絵を描いて5月にその公募団体関係の展示に出したのだが、やっぱりモチーフにイマイチ気がのっていない事もあり、大変筆が重く苦痛を感じながら描き上げたのでなんだか気に入らなかった。

 

夜のプール、今は描きたくないな~って気分が続き、5月下旬から描き出そうとしていたF80の絵は一向に前に進まなかった。でもこの構図ならちょっと描きたいかな?とか色々とエスキースの検討だけは重ねていき、いよいよもう間に合わねーじゃん!と思ってキャンバスに下描きを始めたのがたしか7月後半。

 

でも描けば描くほどその絵が今は描きたい気分ではなくて、イヤでたまらず。

ちょっと描いては筆が止まり、またイヤイヤ筆を持ち苦痛のまま筆を進めてイヤさが限界になるとまた筆をおく、という行動をくり返した。

 

これをずーっとやっていた今年8月の夏休み。これほど苦痛だった夏は人生で第一位だったなって2回目のワクチン接種の後に4~5日続いていた微熱がひいた今週後半にやっと気が付いた。

 

本当にイヤだった。こんなにイヤイヤ絵を描いていたのは初めてだ。

ん?まてよ?

でもさ、今年の3月も5月もイヤイヤ描いてたよね。その前も「このモチーフ今は描きたくないな~」とか「こう言われたからやってみるけどこの描き方イヤだな~」って、イヤな気持ちを引きずったまま描いてること結構あったよね? 

 

いつからだ? いつからイヤイヤたのしくなく描いていたのだ?

たのしく描いた絵はどれなんだ?

ま、過去を細々と振り返るのは面倒くさいし過ぎてしまった事なのであまり興味はない。

 

ただ、今までをざっくりと振り返り総括すると、人から言われた事をたくさん意識して描いた絵はあまり評判がよくなく、極力人からの言葉を無視して描いた絵の方がわりと評判がよい。

 

今こそ生きてるだけでもうけもんな御時世。

描く時間と予算があるだけでもありがたきこと。

イヤイヤ描くのはもうやめよう。時間と金がもったいない。

 

人から言われた言葉は全部記憶消去しよう。

 

描きたいものを描きたいように描きたいと思った。

 

 

そんなわけで(?)、昨日やっとコレを食べた。

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今年のお盆休み、県外に出る事を控え県内をドライブしていたら「カールあります」の看板を発見し、どしゃぶりのなか車から降りて買った今はもう関東では売っていないカール。

県外に出れない今、絶対に食べられないと思っていたカール。

 

よくわからないけど、もう食べられないんだな、なんてことは意外とないんだなって知りました。

またいつか京都にも遊びに行けるのかもしれない。

あの人にも会えるのかもしれない。

 

カールは前に食べたのと同じ味でした。好き。