小説「若冲」を読み始めた。
都市部で大きな絵を制作している生活をしているので基本単行本はできるだけ買わないように努力しているのだけれど、単行本を買ったのであります。
来月、京都に行く前に読みたいと思ったので。
若冲というとこってりガッツリと描いた「鶏」というイメージだけが以前はありました。そして特にファンではなかった。
2012年秋、枯山水の庭を描きたいと思って、よく一緒に旅をする京都好きの友人Mちゃんにそれを伝えたら、紅葉絶頂期の京都に一緒に行くことになった。
1日目2日目はNちゃん含め三人でガンガンと美しく陽に輝く紅葉を見まくった。
仕事の都合でNちゃんが帰った3日目、朝から激しいどしゃぶりだった。
予報で覚悟はしていたけれど、Mちゃんも私も比較的「晴れおんな」なので諦めてはいなかったのだけれど、まぁ他に来ている「雨女」「雨男」さんの力に負けたということだろう。
本当に激しい雨で、庭をみるのは無理そう。
そもそも3日目は雨かも、ということでどうしても行きたい所には既に行った。
外が歩けないなら屋根の下。
美術館を検索した。
交通の便もよさそう。
絵を描くわけではないのによく美術館に一緒に行くMちゃんにそれを提案したら、彼女も美術館の詳細を確認した後のってくれた。
相国寺に着くと、雨は一層激しさを増した。
あまりの雨の激しさに世界は白さに満ちていてその奥に激しく紅葉した木々が佇んでいた。
あ、これが幽玄っていうヤツなのか?
買ったばかりの一眼レフで記録に残しておきたいと思ったけれど、雨が凄過ぎてカメラを出す勇気がなかった。
撮りだしたら時間もかかりそうだった。
あまりの雨の強さに美術館入口に辿りつく前に手前の法堂等にも寄る。
そしてやっと美術館の中に入り、企画展をみて、常設のコーナーへ行った。
毎日これを眺めたいと思った。
若冲は私が最も好きな日本人の画家になった。
雨は嫌いなんだけれど雨も悪くないんだなぁと初めて思った。
まだ「若冲」は読んでる途中なんだけれど、ページをめくりながら3年前のことを何度も思い出す。
(補足)
「若冲」の装丁がご覧になりたい方、okkoさん(id:okko326)の5月27日の記事のところへ是非。
(おまけ)
最後の文人 会津八一の世界 展(相国寺 承天閣美術館) - じゆうちょう。
今週のお題「雨の日が楽しくなる方法」